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老舗薬局4代目社長の実践躬行ブログ |

違和感

蒸し暑い日が続きますね~
ここのところ、カープも6連敗。これまでの勢いはどこへ行ったんでしょう??(涙)
なんとか立ち直って、シーズン終了後に今の時期が一番辛かったとなればいいんですけどね~

連日、ノバルティスファーマの高血圧治療剤「ディオバン」のデータ改竄事件がメデイアを賑わせています。
元社員の方が薬事法違反の疑いで逮捕され、ノバルティスファーマ本社にも家宅捜査が入っています。
私はこの事件に2点、違和感を感じています。

①元社員が逮捕されたが、当時の経営陣の経営責任は問われないのか?
②なぜ、いまだに「ディオバン」が販売され続けているのか?


①に関しては、元社員は当時、部長職を務めていた。会社役員ではありません。
「ディオバン」の宣伝広告に用いるために、K大学で実施した医師主導臨床研究のデータを改竄し、「薬が脳卒中の予防に効果がある」との結果を論文に記載させた薬事法違反(誇大広告)疑いで逮捕された。
真偽はどうあれ、「ディオバン」をもっと売れるようにするための行動です。もっと言うなら、会社のために行動していたわけです。
となると、会社の管理責任が問われるはずです。会社の責任は、当時の社長をはじめとする経営陣がとるべきなのではないでしょうか。会社のものを横領したわけでもないのに、元社員1人に責任を負わせることにいささか違和感を感じてしまいます。

②に関しては、「ディオバン」自体は臨床試験データに改竄はあったものの、発売後、重篤な副作用事例はありません。今のところ、安全性は担保されています。だからと言って、販売し続けるのは如何なものでしょうか?安全性は担保されているもののルール違反をしたわけだから、販売中止にすべきではないでしょうか。
私たちは、患者さんに薬を渡す最前線にいるわけで、説明を求められても説明のしようがありません。

患者さん「この薬、不正があったみたいだけど、大丈夫なの?」
薬剤師 「これまで服用されてきて、何か困ったことがありましたか?」
患者さん「特にないよ。血圧も安定しているし。ただ、あんな事件があったから今後不安だし、気持ち悪い。」
薬剤師 「わかりました。処方元の先生に相談してみます。」
 ~Dr.に問い合わせ~
薬剤師 「先生と相談した結果、別の種類のお薬に代わることになりました。このお薬で様子をみてください。」


患者さんとの会話はこんな顛末になってしまいます。要するに患者さんに無駄な心配をさせてしまっているわけです。
「ディオバン」を販売し続ける理由がわからない。安全性が担保されていればそれでよいのか。企業モラルは問われないのか。
こんな事態にもかかわらず、来週、「ディオバン」のジェネリック(後発医薬品)「バルサルタン」が発売されます。「ディオバン」という名前が「バルサルタン」に変われば喉元過ぎてしまうのか。。。
とても違和感を感じるのは私だけでしょうか。
皆さんは如何思われますか?

可愛そうなのは、不祥事がメディアに取り上げられるたびにお詫びに来るノバルティスファーマのMR(営業)です。彼は、かれこれ、1年近く頭を下げ続けているのでないだろうか。なんとも不憫でならない。
精神的なバランスを崩さないといいのですが。。。

この事件、違和感の残らない決着を早くつけていただきたいですね。

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Posted by 小松 義人 on  | 0 comments  0 trackback

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